「ショパンのワルツを弾いてみたい曲があるけど、難易度がどれくらいかわからない」
「ショパン ワルツの難易度を一覧で見たい」
「おすすめの楽曲が知りたい」
という方に、ショパン ワルツの難易度別 楽曲一覧や楽曲の特徴、おすすめの練習法、楽譜をご紹介します。
ショパン ワルツ 難易度別 一覧:おすすめの曲を初級~上級まで紹介
ショパン ワルツの難易度レベル別おすすめの曲とその特徴は、以下の通りです。
| 難易度レベル | おすすめ曲 | 特徴 |
|---|---|---|
| 初級 | ワルツ イ短調 Op.posth.(遺作) | 穏やかなテンポで指の動きも比較的シンプル |
| 初級 | ワルツ 変ホ長調 Op.posth.(遺作) | さわやかな短い曲。跳躍やオクターブが少ない。 |
| 初級 | ワルツ ロ短調 Op.69-2 | 半音の動きがなんとも切ない。表現力が求められる。 |
| 中級 | ワルツ 変イ長調 Op.69-1(告別のワルツ) | 優雅で情緒的な曲。細かな指使いがポイント。 |
| 中級 | 華麗なる円舞曲 ヘ短調 Op.70-2 | 親しみやすい。装飾音が多いため注意。 |
| 中級 | 華麗なる円舞曲 変ト長調 Op.70-1 | 軽やかでテンポが速い。指回しの練習が必要。 |
| 中級 | 子犬のワルツ Op.64-1 | 有名曲。軽快で華やか。細かな動きが特徴的。 |
| 中級 | ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2 | 哀愁を帯びた曲。テンポの変化が大きい。 |
| 中級 | ワルツ 変ニ長調 Op.70-3 | 明るく伸びやか。強弱のバランスがポイント。 |
| 中級 | 華麗なる大円舞曲 変ホ長調 Op.18 | 華やかで優雅。有名曲。跳躍が多く、テンポが速い。 |
| 上級 | ワルツ 変イ長調 Op.34-1(華麗なる円舞曲) | 非常に華やかで和音が美しい。和音のスキルが求められる。 |
| 上級 | ワルツ イ短調 Op.34-2(華麗なる円舞曲) | 重厚な曲。テンポが遅く、表現力が求められる。 |
| 上級 | ワルツ ヘ長調 Op.34-3(華麗なる円舞曲) | 猫のワルツで軽快。テンポが速く、アルペジオやスケールが多い。 |
| 上級 | ワルツ 変イ長調 Op.42(大円舞曲) | 左手が3/4拍子、右手が2/4拍子のポリリズム。テンポが速く、正確な指回しが求められる。 |
| 上級 | ワルツ 変イ長調 Op.64-3 | 重厚感のある曲。メロディーが複雑で高度な表現力が求められる。 |
ショパン ワルツの魅力

ショパン ワルツの魅力について、特徴、歴史・背景、有名ピアニストによる演奏、の3つの観点からご紹介します。
ワルツの特徴
ショパンが生み出したワルツの最大の特徴は、それまでの「踊るための伴奏曲」を超え、「鑑賞するための洗練されたピアノ芸術」となっている点です。
主な特徴としては、以下の3つがあります。
・洗練された華やかさと哀愁
「華麗なる大円舞曲」など華やかな曲がある一方、「ロ短調 Op. 69-2」といった繊細で切ないメロディが特徴の曲もあり、対照的な魅力があります。
・「ルバート(Tempo Rubato)」による伸びやかで自由な表現
機械的ではない感情を自由に表現できる「ルバート」という演奏スタイルもショパン ワルツの魅力です。これにより、人間味あふれる表情を演出できます。
・高度なピアノ演奏技術
左手の広範囲の跳躍や複数リズム、右手の細かな指回しなど、単純に見えて高いスキルが必要な箇所が多く散りばめられています。
ショパン ワルツの歴史・背景
19世紀前半のヨーロッパ、特にウィーンでは、男女がペアで踊るワルツが大流行していました。
当時は、場を盛り上げるためのにぎやかなワルツが主流で、大ホールでの派手なコンサートで使われていましたが、ショパンは親しい人々だけが集まる場所でピアノを弾くことを好みました。
そこで、ショパンは独自の感性で、「ダンスのための音楽」から「じっくり耳を傾ける音楽」へと進化させることにしました。
ショパンは、生涯で20曲のワルツを作曲しましたが、生前に出版を認めたのはわずか8曲だけでした。
ショパンにとってワルツは、楽譜として売るためではなく、「大切な人との思い出・プレゼント」「個人的な感情」を書き留める大切な日記のような存在でもありました。
このような作品群が、遺族や友人によって後に出版されました。
有名ピアニストが演奏するショパン ワルツ
同じショパンのワルツでも、演奏するピアニストによって表現は異なります。
世界的に有名なピアニストの名演奏を知ることで、作品の演出をより楽しむことができます。
【演奏を聴くなら!おすすめのピアニスト】
・Dinu Lipatti(ディヌ・リパッティ)
・Artur Rubinstein(アルトゥール・ルービンシュタイン)
・Claudio Arrau(クラウディオ・アラウ)
ショパン ワルツを演奏するなら楽譜が大事!

ショパンの楽譜は、主に以下の出版社から出版されています。
- ヘンレ原典版
- エキエル版
- パデレフスキ版
- コルトー版
- ウィーン原典版
- ペータース原典版
これだけたくさんんあると、どの出版社のものを使えばいいか迷うかと思います。
なぜこれほどたくさんあるのでしょうか。
その理由としてはいくつかあります。
ショパンは、一度完成させた曲を出版直前まで何度も校正する作曲家でした。
中には、自身が書き間違えた箇所もあると言われており、出版社によって校正の判断が変わることから、出版社によって楽譜が異なっています。
コンクールで推奨されているのは、「エキエル版」で最も信頼されています。
しかし、プロを目指す人が使う分、解読し辛い点も多いようです。
おすすめは、「パデレフスキ版」です。
私自身、ピアノ教室で推奨されていたため、この楽譜を使っていました。
パデレフスキ版は、比較的価格を抑えられる点でもおすすめです。
初心者におすすめのショパン ワルツ 3選

初心者の方におすすめのショパン ワルツを3つご紹介します。
イ短調 Op.posth.(遺作)
ショパンが亡くなった後に見つかった作品で、「初めて弾くショパン」として世界中で親しまれているワルツです。
哀愁を帯びた美しい旋律が印象的で、ノスタルジックな雰囲気が感じられます。
【特徴・演奏のポイント】
テンポが穏やかで、音数が少ないため、初心者にぴったりです。
右手のアラベスク風の装飾音を滑らかに奏でること、左手の伴奏の上にのせるメロディの表現力がポイントです。
変ホ長調 Op.posth.(遺作)
1840年ごろに作曲されたと推測されている、明るく爽やかな曲です。
短い曲の中に、ショパンらしい優雅な表現と愛らしさが詰まっています。
【特徴・演奏のポイント】
オクターブや難しい跳躍がほとんどありません。
右手の旋律が馴染みやすく、テンポよく軽快に弾くことで曲の可愛らしさが引き立ちます。
ロ短調 Op.69-2
1829年ごろ、ショパンが19歳の頃に作曲したとされる初期の作品です。
哀愁漂う旋律と、途中で明るく変化する対比が美しく、聴く人の心を揺さぶります。
【特徴・演奏のポイント】
半音階が多く使われていることにより、独特の切なさが表現されています。
技術的に難しい点はあまりありませんが、テンポの揺らし方や音のニュアンスなど、高い表現力が求められます。
中級者におすすめのショパン ワルツ 3選

中級者の方におすすめのショパン ワルツを3つご紹介します。
変イ長調 Op.69-1(告別のワルツ)
「告別のワルツ」は、ショパンが恋人マリア・ヴォジンスカとの別れに際して贈ったとされています。
優雅で甘く、少しはかない感情が描かれた作品です。
【特徴・演奏のポイント】
ゆったりとしたテンポですが、細かな動きや三連符、左右で拍が異なる部分があり、それぞれ部分練習に時間をかけることが大切です。
滑らかな指使いと別れを惜しむような繊細な表現がポイントです。
子犬のワルツ Op.64-1
ショパンのワルツの中で、最も有名で人気曲です。
子犬が自分のしっぽを追いかけてくるくると回る愛くるしい姿を表現していると言われており、明るく軽やかな表現が魅力です。
【特徴・演奏のポイント】
冒頭から速いフェーズが続きます。力が入ると指が回らなくなるため、腕や肩を脱力することが大切です。
中間部の甘く歌うメロディとのメリハリも重要なポイントです。
ワルツ 嬰ハ短調 Op.64-2
哀愁に満ちた部分、素早い動きがある部分、そして甘く美しい中間部、という3つの要素で構成された魅力的な曲です。
「子犬のワルツ」と並び、Op.64のセットで非常に人気の高いシックな曲です。
【特徴・演奏のポイント】
曲中でテンポや雰囲気が目まぐるしく変化します。哀愁に満ちた部分では情熱的に歌い、素早い動きがある部分では正確で軽やかなタッチが求められるため、表情の切り替えとスキルの両方が求められます。
上級者におすすめのショパン ワルツ 3選

上級者の方におすすめのショパン ワルツを3つご紹介します。
ワルツ 変イ長調 Op.34-1(華麗なる円舞曲)
Op.34の「華麗なる円舞曲」の3つうちの1曲目です。
華麗で壮大な雰囲気があるため、社交界の舞踏会の最高潮を思わせる圧倒的な華やかさを持っています。
【特徴・演奏のポイント】
豪華な和音の響きと素早い動きが求められます。
連続するオクターブや速いアルペジオ、華麗で力強いファンファーレなど、高いピアノテクニックと迫力のある演奏が必要です。
ワルツ 変イ長調 Op.42(大円舞曲)
ショパンのワルツの中でも完成度が高く、最高傑作の一つと言われる大曲です。
細かなリズムの仕掛けと、圧倒的な躍動感を兼ね備えています。
【特徴・演奏のポイント】
右手が2拍子、左手が3拍子を同時に刻む、高度なポリリズムが最大の難所です。
左右の独立したリズム感と、後半にかけて加速する技術的なフェーズをコントロールすることが求められます。
ワルツ 変イ長調 Op.64-3
ショパンが亡くなる前の最後のワルツセット(Op.64)を締めくくる曲です。
連続する和音がとても複雑で、内省的で成熟した大人の雰囲気を醸し出しています。
【特徴・演奏のポイント】
重厚な旋律と伴奏が緻密に織り込まれており、和音の変化を正確に汲み取る必要があります。
細かなテンポの変化や複数のメロディのコントロール、繊細なペダリングなど、高い表現力と演奏スキルが求められます。
ショパン ワルツ演奏を上達させる練習法

ショパン ワルツを上手く弾きこなすための3つの練習法をご紹介します。
- 左手のリズムを安定させる
- 感情を表現する
- 右手の脱力を意識
1. 左手のリズムを安定させる
ワルツの基本リズムは「1・2・3」の3拍子で、「強・弱・弱・強・弱・弱」の繰り返しです。
1拍目の低音を強く、2・3拍目の和音を軽く弾くことで、音にメリハリがつき、単調なリズムが一気に立体的になり、表現力が豊かになります。
まずは左手だけで、一定のリズムで音の強弱を表現できるように練習します。
一定のリズムで弾くために、メトロノームは必ず使うようにしましょう。
また、音の強弱は、指の力ではなく、手首の上下(腕の重み)で表現し、力を抜いて弾くようにしましょう。
2. 感情を表現する
ショパンの音楽には1曲の中でもテンポや拍子が目まぐるしく変化するため、豊かな表現力が求められます。
フレーズごとに細かな感情が描写されているため、機械的に弾くのではなく、場面ごとの気持ちを想像しながら演奏することが大切です。
演奏が単調にならないよう、意識したい音の強弱やテンポの変化をあらかじめ楽譜に書き込み、表現力を高める練習を意識しましょう。
3. 右手の脱力を意識
「子犬のワルツ」などの速い曲では、手に力が入ると指が回らず正確に弾くことができません。
肩や腕の力を抜き、滑らかに鍵盤を転がすイメージで練習しましょう。
「指が回らない」と感じた時は、弾くスピードを落とし、脱力した状態をキープしながら弾く練習がおすすめです。
脱力したフォームを体に覚えさせることで、速いテンポでも正確に弾けるようになります。
まとめ:ショパン ワルツの難易度を理解して演奏に挑戦してみよう

今回は、ショパン ワルツの難易度別楽曲一覧をはじめ、曲の歴史や魅力、おすすめの楽譜や練習法について解説しました。
ワルツは一見シンプルなリズムに思えますが、実は繊細な音の表情や高度なテクニックが凝縮された奥深い楽曲ばかりです。
作曲された背景や歴史を知ることで表現の幅が広がり、より感情を込めて演奏できるようになります。
ぜひ「この曲を弾いてみたい!」と思える作品を見つけ、背景にあるショパンの想いにも触れながら練習に取り組んでみてください!



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