「ハノンはいつから始めたらいい?」
「ハノンは大人でも練習する意味がある?」
「ハノンは難しい、辛い、苦行だと聞いて不安…」
という方に、大人でも練習すべき理由と、おすすめの練習方法・楽譜をご紹介します。
ピアノ初心者でハノンを始めるかどうか迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハノンはいつから始めるのがいい?適切なタイミングとは

ハノンは、ある程度左右の指を自由に動かせるようになってからはじめるのがおすすめです。
練習量や個人のレベルにもよりますが、ピアノを始めて半年~1年後くらいがハノンを始める時期の目安になります。
ハノンは単純な音階で構成されていますが、正確さやリズム感が丸見えになるため、「指を独立して動かす」ことにかなり集中力を使います。
ハノンをはじめるタイミングが早すぎた場合、下記のようなリスクがあります。
- 脱力できないまま引くと手や指を痛める
- 基本的な手の形や指回しが出来ていない場合、フォームが崩れて間違った癖がつく
- ピアノを始めたばかりの人は、「弾ける=速く指を動かすこと」と誤解する
- ハノンを始める前に身に付けるべき基礎が育たない(リズム感、片手練習、読譜など)
ハノンを始めるかどうか悩んでいる方は、「手のフォームが定まり、両手で簡単な曲がスムーズに弾けるようになった」かどうか一度確認してみてください。
ハノンは大人からでも練習する意味がある?
ハノンは大人から練習しても全く問題はなく、ピアノ上達のためにハノンを使った練習は欠かせません。上記のピアニストの方の動画でも、’基礎的な力を伸ばすのに有益‘とコメントされています。
大人からハノンを始めるメリットもあります。子供と比較してどのようなメリットがあるか、いくつかご紹介します。
- 「何を目的に練習しているのか」を意識できるため、癖を修正しやすい
- 「基礎の重要性」を理解して取り組めるため、単調でも継続しやすい
- 仕事や家事など時間が限られているからこそ、指慣らしとして習慣化しやすい
ハノンは単調なため、子供は苦痛に感じてやめてしまう場合もありますが、大人の場合は、理解力や自主性・継続性があるため、ピアノの基礎力を効率よく上げる手段としておすすめです。
ハノンのおすすめの練習方法

ハノンのおすすめの練習方法は、以下の通りです。
- ゆっくりとしたテンポで楽譜通りに弾く
- リズムを変えて弾く
- 苦手な部分を集中的に練習
- 徐々にテンポを上げる
1. ゆっくりとしたテンポで楽譜通りに弾く
まずはメトロノームを使って、ゆっくりとしたテンポで楽譜通りに弾いてみます。
初めに設定したメトロノームの速さでスムーズに弾けない場合は、さらにテンポを落として最初から最後までスムーズに弾けるように練習しましょう。
ゆっくりとしたテンポで弾くことで、正しい指使いを確認しながら練習できます。
この時、つまづきやすい箇所をチェックしておくようにしましょう。
ピアノ練習におすすめのメトロノームは、下記の記事で紹介しています。
2.リズムを変えて弾く
一定のリズムで正確に弾けるようになるためには、リズム練習が効果的です。
リズム練習とは、音の組み合わせや長さを変えて練習する方法のことです。
リズム練習は様々な種類があり、「アーティキュレーションをつける」、「特定の部分を反復する」など目的によって使い分けることが大切です。
この方法は、曲の表現力向上に非常に大切であり、ハノン以外の他の楽曲の練習にも活用できます。
リズム練習の詳細については、下記の記事で紹介しています。
3. 苦手な部分を集中的に練習
ある程度スムーズに弾けるようになったら、苦手な部分(テンポが速くなってしまう部分、つまづいてしまう部分など)を集中的に練習しましょう。
テンポを落としてもなかなか弾けるようにならない場合は、片手練習が効果的です。
片手でスムーズに弾けるようになったら、両手で1.2の練習を繰り返しましょう。
両手で弾けない方におすすめの練習法は、下記の記事で紹介しています。
4. 徐々にテンポを上げる
1で設定したメトロノームのテンポで弾けるようになったら、少しずつテンポを上げていきましょう。
この時、一気にテンポを上げると指使いやフォームが追い付かず、毎回同じところで間違えてしまう癖がついてしまう可能性があるため、少しずつテンポを上げるようにしてください。
時間がかかると思うかもしれませんが、手を痛めたり、フォームが崩れたりすることを考えると、コツコツと練習を積み重ねることがピアノ上達の一番の近道です。
指を速く動かすためのコツや練習方法については、下記の記事で紹介しています。
ハノンのおすすめ楽譜

ハノンのおすすめの楽譜をいくつかご紹介します。
- 日本語ライセンス版 トンプソンのハノン(テクニカルガイド付)
(ジョン・トンプソン (著), 大島 妙子 (翻訳)) - 全訳ハノンピアノ教本 解説付(全音楽譜出版社)
- 無理のない指のトレ―ニングのために 大人からはじめるハノンピアノ教本
(Hanon, Charles Louis) - ハノン・ピアノ教本:New Edition(小鍛冶 邦隆)
日本語ライセンス版 トンプソンのハノン(テクニカルガイド付)(ジョン・トンプソン (著), 大島 妙子 (翻訳))
全訳ハノンピアノ教本 解説付(全音楽譜出版社)
無理のない指のトレ―ニングのために 大人からはじめるハノンピアノ教本(Hanon, Charles Louis)

ハノン・ピアノ教本:New Edition(小鍛冶 邦隆)
まとめ
今回は、ハノンをはじめる適切なタイミングとおすすめの楽譜・練習方法をご紹介しました。
ハノンにはピアノの上達に必要な基礎が多く含まれているため、大人からピアノを始めた方にもおすすめの教本です。
ピアノをはじめてから半年~1年くらいで、ある程度両手でスムーズに弾けるようになってきた方は、ぜひハノンでのピアノ練習にチャレンジしてみてください。
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