スケール練習のコツ!4つのポイント

ピアノ練習法

スケール(音階)練習は、ピアノに限らずどの楽器においても大切です。
この記事では、ピアノのスケール練習のコツを4つのポイントに絞って紹介しています。
4つのポイントを意識して練習するだけで、上達速度がアップします。
ぜひ日々の練習に取り入れてみてください。

スケールとは?練習の目的と効果

スケールとは、「音階」を意味しています(引用:weblio)。音階=音の階段であり、音と音の間隔が全音もしくは半音でつながっています。基本的には、全音と半音の組み合わせて7つの音から構成されています。
スケール練習の目的、期待される効果としては、以下のことが挙げられます。

指を自由に動かせるようになる

スケール練習では、連続した音を均一に弾くことが大切です。そのためには、適切な指使いができなければいけません。例えば、「ドレミファソラシド」を弾く場合、指番号は「12312345」となります。適切な指使いを身に付けることで、他の音階だけでなく、練習曲でも自由に指を動かせるようになります。

手元を見ずに弾けるようになる

スケール練習で指使いを覚えると、鍵盤の位置を感覚で把握できるようになります。そのため、手元を見なくても、楽譜通りに弾けるようになります。手元を見ずに弾けるようになることで、譜読みの速度も速くなります。

指番号をつけられるようになる:フレーズを理解できる

スケール練習をすることで、1フレーズに対してどの指を使えばスムーズに弾けるかを理解できます。
そして、スケール練習で覚えた指使いは、他の曲を弾く時にも役に立ちます。指番号がついていない、あるいは一部だけ書かれている楽譜でも、どの指使いが最適であるかを判断できるようになります。

スケールの種類

スケール・音階には多くの種類があります。全音、半音の組み合わせで名前が変わります。ここではメジャースケール、ナチュラルマイナースケール、ハーモニックマイナースケールの4種類について解説します。

メジャースケール(major scale):長音階

音の法則:「全音→全音→半音→全音→全音→全音→半音
特徴:明るい響き。元気や勇気を与える曲に多く用いられる。

ナチュラルマイナースケール(natural minor scale):自然短音階

音の法則:「全音→半音→全音→全音→半音→全音→全音」
特徴:暗い響き。悲しい雰囲気の曲に用いられる。

ハーモニックマイナースケール(harmonic minor scale):和声短音階

音の法則:「全音→半音→全音→全音→半音→全音、半音半音
特徴:独特な雰囲気。解決感がある。

メロディックマイナースケール(melodic minor scale):旋律的短音階

音の法則:「全音→半音→全音→全音→全音→全音→半音
特徴:ハーモニックマイナースケールを改良。自然さが捕捉されたスケール。

スケール練習をするときの4つのポイント

スケール練習の目的、効果を理解したら、実際に練習してみましょう。スケール練習の4つのポイントを押さえて、効率的にピアノ練習に取り組みましょう。

1. 手の位置と形を意識する

ピアノを弾く時の手首の位置と手の形は、音の質に大きく影響します。適切なフォームで弾くことを習慣づけましょう。

手首の位置

手首の位置は、下がりすぎると指が絡まりやすく、音が抜けやすくなります。鍵盤の上に手を置いた時に、手首の位置が指の第2関節と同じくらいの高さになるようにしましょう。音階練習で指を回す時も、手首の位置は固定して弾くように意識することで、スムーズに弾けるようになります。

手の形

手の形は、指を伸ばすときれいに指が回らず、スムーズに音階を弾くことができません。鍵盤の上に優しく包み込むような形で手を置くようにしましょう。また、弾く速度を上げたいときは、指と指の間を狭くするとスムーズに指が回りやすくなります。

2. すべての音を均等に弾く:まずはハ長調から

初めのうちは、テンポを落として1音1音しっかり音を出すことが大切です。指を回すところは特に、音が乱れてしまうため、均等な音が出せるようになるまで繰り返し練習しましょう。

まずは、基本的なハ長調から練習しましょう。
ハ長調とは、「ド・レ・ミ・ファ・ソ・ラ・シ・ド」から構成される、フラットやシャープが付かない基本的な音階です。
ハ長調が弾けるようになったら、ト長調(シャープ1個)、二長調(シャープ2個)と徐々に調子記号を増やして練習しましょう。

3. メトロノームを使う

スケール練習では、一定のリズムで弾けるようになることが大切です。
指を回す部分や音と音の間隔が空いている部分など、リズムが乱れやすい部分は特に練習が必要です。
スケールの中で苦手な部分では、速度が遅くなったり早くなったりするため、メトロノームでリズム管理する必要があります。
メトロノームを使って正しいリズムで弾くことを心がけましょう。


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4. リズム練習

リズム練習とは、簡単に言うと、音の長さの組み合わせを変えて練習する方法のことです。
リズム練習で大事なことは、何を改善したいかを明確にすることです。
例えば、
「発音をはっきりさせたい」
「指がすべったり、浮いてしまわないようにしたい」
「連符を一定の速さで弾けるようになりたい」
「ミスを減らしたい」

などです。

目的をはっきりさせたら、次に練習方法を選択します。
練習方法には様々な種類があり、目的によって使い分ける必要があります。
具体的には、

  • アーティキュレーション(スタッカート、テヌート、レガートなど)をつける
  • テンポを変える
  • 特定の音に力点を置く
  • 特定の部分を反復する
  • 単音にするなど、少ない音で弾く
  • 音を出さずに手のタッチを確認する
  • 全ての音を均一に出す(音を保持する)

などが挙げられます。
リズム練習を重ねることで、指を自由自在に動せるようになるため、曲の表現力が向上します。
8分音符を付点8分音符に変えるといったテンポ変換や、スタッカート、テヌートなどのアーティキュレーションをつけたり、様々なリズムで音階練習しましょう。

スケール練習におすすめの教材

スケール練習におすすめの2種類の教材を紹介します。

ハノン

一つ目は、「ハノン」です。この教本は音大でも使用されており、リズム、音量など、様々なスケール練習が可能です。規則的で単調なスケールであるため、退屈に感じるかもしれませんが、指を動かし続ける持久力や、指を自由自在に動かすスキルが身に付きます。1つのスケールに対して、スタッカート、テヌー、レガートなど、様々なアーティキュレーションを付ける練習ができる教材であり、幅広くスケール練習をすることができます。


全訳ハノンピアノ教本 (Zen-on piano library) [ シャルル・ルイ・ハノン ]

バーナム ピアノテクニック

2つ目は、「バーナム ピアノテクニック」です。このシリーズは7冊あり、アメリカのピアノ教育において著名な作曲家、エドナ メイ バーナムが著者です。全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)の調査より、日本一使われている教本としても報告されています(参照:PTNA)。
シリーズは以下の通りです。

  • バーナム ピアノテクニック ミニブック
  • バーナム ピアノテクニック 導入書
  • バーナム ピアノテクニック 第1巻
  • バーナム ピアノテクニック 第2巻
  • バーナム ピアノテクニック 第3巻
  • バーナム ピアノテクニック 第4巻
  • バーナム ピアノテクニック 全調の練習

毎日のピアノ練習前のウォーミングアップに使われています。指の筋力と柔軟性を高めることが目的とされています。


バーナム:ピアノ・テクニック ミニブック [ エドナ・メイ・バーナム ]

バーナム:ピアノ・テクニック 導入書 [ エドナ・メイ・バーナム ]

バーナム:ピアノテクニック(1) [ エドナ・メイ・バーナム ]

[楽譜 スコア] バーナムピアノテクニック(2)【ポイントup 開催中】

バーナムピアノテクニック (3)/副教材 全音楽譜出版社 ピアノ教本 楽譜

楽譜 バーナム ピアノ・テクニック(4) / 全音楽譜出版社

バーナム/ピアノテクニック・全調の練習改訂版 [ エドナ・メイ・バーナム ]

まとめ

スケール練習の目的、効果、4つのポイントを解説しました。
4つのポイントをまとめると、以下のようになります。

  1. 手の位置と形を意識する:正しいフォームを身に付ける
  2. すべての音を均等に弾く:まずはハ長調から
  3. メトロノームを使う:リズム管理する
  4. リズム練習:自由自在に指を動かせるように

これらを意識して、スケール練習に取り組んでみてください。

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