ピアノを始めたばかりのうちは「楽譜の音が、鍵盤のどの位置なのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
鍵盤数や鍵盤の並び方、位置を理解することで、楽譜をスムーズに読めるようになります。
このページでは、ピアノの鍵盤数の数え方や必要な鍵盤数、位置をイラストを使いながらわかりやすく解説しています。
ピアノの鍵盤数はいくつ?:通常は88鍵
グランドピアノやアップライトといったピアノでは、鍵盤数が88鍵になっています。
電子ピアノやキーボードについては、88鍵だけではなく、76、61、49といったものも販売されています。
鍵盤数の違いによって、低い音から高い音までの音域が変わるため、弾きたい曲の種類や部屋の広さ、値段など様々な希望に合わせて選ぶことができます。
なぜ88鍵?ピアノの歴史
ピアノの鍵盤数が88鍵である理由は、人間の耳のつくりに関係しています。
ピアノはもともと88鍵あったわけではありません。ピアノが誕生した1709年当時は、4オクターブ弾くことができる54鍵で、「クラヴィチェンバロ・コル・ピアノ・エ・フォルテ」と呼ばれていました。その後、61鍵、68鍵、73鍵…と音楽の発展とともに音域が拡大し、1890年頃に7オクターブの88鍵となりました。
それ以降鍵盤数が増えていない理由は、人間が聞き取ることができないためです。
人間が聞き取れる音の波長は約20~20000ヘルツまでの範囲ですが、音程として認識できる範囲は20~4000ヘルツ程度であると言われています。
88鍵のピアノの音の波長は27.5~4186ヘルツであるため、これ以上音域を拡大すると、音程を認識できず、耳障りな音にしか聞こえなくなると考えられます。
鍵盤はどんな材質?
ピアノの鍵盤の材質は大きく3つに分けられます。
白鍵(白い鍵盤)
・アクリル素材
光沢感があり、つるつるとした素材です。
電子ピアノやアップライトピアノに多く使用されています。
・人工象牙
ザラザラとした鍵盤で、アクリル素材のような光沢感はありません。
黄ばみが目立ちやすく、古いピアノに多く見られます。
・象牙(本物)
しっとりとした指触りで、手なじみの良い鍵盤です。
象牙は希少な素材でかなりの高級品であるため、スタンウェイなどの高級な海外メーカーのピアノに使用されています。
黒鍵(黒い鍵盤)
・ベークライト
一般的な黒鍵の素材です。
アクリル素材と同様につるつるとしています。
・黒檀調天然木
天然木のザラザラとした肌ざわりで、マットな仕様になっています。
・黒檀
象牙と同様に高級な素材であり、海外メーカーのピアノに使用されています。
初心者にも88鍵のピアノは必要?練習用にキーボードを使用してもOK?
キーボードでは88鍵より少ない鍵盤数のものも多く販売されていますが、クラシックを弾きたいと思っている方は、88鍵のピアノが必須です。
上記のピアノの歴史から、1890年頃には88鍵のピアノを使って作曲されていました。
作曲家は楽器を最大限使って表現しようとしていました。特にベートーヴェンは音域の拡大に大きく貢献しており、ベートーヴェンの後期に作曲した曲には音域を活かした曲が多くあります。
また、ショパンやリストが活躍した時代には80~85鍵のピアノが使われていたとされています。
このような時代背景から、クラシックを弾きたいと考えている方は、88鍵のピアノ、できればアコースティックピアノで練習することをおすすめします。
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76鍵、61鍵、49鍵のピアノ
88鍵よりも少ないピアノのメリット、デメリットを紹介します。電子ピアノやキーボードを購入する際の参考にしてください。
76鍵のピアノ:ロックやポップス曲、浅く広く弾きたい人に
76鍵のピアノは、ロックやポップス曲といった楽曲を弾きたい人、広く浅くピアノを弾きたい人におすすめです。88鍵よりも幅が狭いため場所を取らず、値段も安いというメリットがあります。ただし、ピアノを長く続けたい方は、弾く曲のレパートリーが増えてくると、鍵盤不足の問題が生じる可能性もあります。
61鍵、49鍵のピアノ:子供の練習用、弾き語りに
61鍵、49鍵のピアノは、ピアノを手軽に始められ、子供の練習や弾き語りにおすすめです。また、持ち運べるサイズのため、気軽に移動させることができます。ただし、弾ける曲がかなり限定されるため、よく考えてから購入するようにしましょう。
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ピアノの鍵盤位置
真ん中の「ド」を覚える
ピアノを習う時にまず初めに覚えるのが「真ん中のド」(C4)です。鍵盤の位置と楽譜の音符をしっかり覚えましょう。
ピアノの「ド」(C)は、鍵盤が88鍵ある場合、全部で8個あります。
「真ん中のド」は、下のイラストで示すように、左から4番目にあり、鍵盤でも楽譜でも真ん中に位置しています。
オクターブを理解する
オクターブとは、「ド」から次の「ド」までの8個分の音の範囲のことをいいます。88鍵のピアノでは7オクターブあります。下図のように、4つ目の「ド」から3つ目の「ド」に下がる場合、「1オクターブ下がる」といいます(-1オクターブ)。反対に、4つ目の「ド」から5つ目の「ド」に上がる場合、「1オクターブ上がる」といいます(+1オクターブ)。
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